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【バブル直後?】45年ぶりに求人倍率が高水準、国民の実感は?

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厚生労働省は1日、2018年平均の有効求人倍率が、前年比0.11ポイント上昇の1.61倍となり、1973年以来45年ぶりの高水準と発表しました。
完全失業率もバブル直後と同じ状態ですが、実感として、みなさんはどう感じているでしょうか?
有効求人倍率と失業率、少子高齢化の観点から、日本の景気を見てみましょう。

就業率増加から垣間見える、年金問題と少子高齢化

統計の不正が騒がれていますが、今回の統計では確かに有効求人倍率が上がっていました。それに伴い就業率も増加し、安倍総理就任以来、260万人以上が就業しています。
ですが、うち210万人以上が、年金受給世代である65歳以上です。
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参照:労働力調査(基本集計)https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/pdf/index1.pdf
2008年以降、15〜64歳の就業率は横ばいであるのに対し、65歳以上は毎年増加の傾向にあります。これは年金受給後も働かなければならない現状、また少子高齢化に伴い、若年層だけではシニア世代をカバーできなくなってきていることを示しています。

消費税増税に伴い、ポイント還元制が取り入れられる

2019年10月には消費税が10%まで引き上げられ、国民の生活にも大きく影響してきます。ネット上には「減税する方がよりお金を使うのでは」との意見もありました。
今回の消費税増税に伴い、政府はポイント還元制度を政策に入れています。クレジットカードなどのキャッシュレス決済を行なった消費者に対し、消費税の5%か2%分を、ポイントで還元する制度です。
まだ完全に実施されると決まったわけではなく、消費税が増税される2019年10月からおよそ9ヶ月間、期間限定で実施されます。
ポイント還元率は、概ね以下の通りです。

中小小売・飲食・宿泊等 5%還元
コンビニ・外食・ガソリン・大手系列チェーン等 2%還元
百貨店など大企業・病院・住宅など一部の除外業種 無し

還元率は、対象店舗の業種によって異なります。大まかな区分であることから、混乱を招くのは必須であると予想されています。店舗側だけでなくカード会社や利用する側も、ポイント還元率を計算することが難しいとの指摘があります。
また除外対象品もあるため、キャッシュレス決済を行なった全てに対してポイントが還元されるわけではありません。
店舗はレジのシステム変更、カード会社も対応に追われていますが、利用者はキャッシュレス決済の準備をしておくだけです。政策開始後はキャッシュレス決済に切り替えることで、普段の生活の数パーセントを還元させることができます。

【2019年(平成31年)】どう見る?日本の景気予想

帝国データバンクは2018年12月中旬に、全国9,746社に「来年の景気は回復か、踊り場か、悪化か」というアンケートを実施。結果、3社に1社が「悪化する」と回答しました。
これには消費税増税が大きく影響しており、小売・卸売業では「悪化」と答える企業が多く目立ちました。一方で、オリンピックの影響を良い意味で受けている、製造・建設業は「回復」と回答した企業が目立つ結果となりました。
景気回復が懸念される主な理由は、人手不足や素材・材料費の価格高騰で、目まぐるしく変わる世界情勢を危惧している企業もあります。また、今後景気回復するために必要なこととして、所得の増加と個人消費の拡大が主に挙げられました。
年金問題に若年層の就業率、そして少子高齢化問題です。まだまだやるべきことが明らかになった今回の統計を、国民と政府はどう見ているのでしょうか。

キャッシュレス決済が2割の日本で、ポイント還元制度を取り入れる

今回の増税に伴い、政府はキャッシュレス化を促したいと考えています。日本の支払いにおけるキャッシュレス率は2割ほどで、うち90%以上がクレジットカードです。
キャッシュレス決済で、特定の商品を購入、または飲食した場合にポイントが還元されます。消費者のニーズに対して、政府の設けた条件がどこまでマッチするかが大きな争点です。
ポイント還元に伴い政府が負担する額は、おおよそ2,798億円とされています。
更に政府は、2歳以下の子どもがいる家庭と住民税が課されない低所得者層に対し、プレミアム商品券を販売します。購入額は2万円でありながら、2万5,000円分利用することができる商品券です。政府の負担額は、おおよそ1,700億円です。
計4,500億円近くを税金で負担し、増税した分は医療費や福祉費に充てられることが決まっています。
キャッシュレス決済を推進したい政府ですが、ポイント還元を早々に実感できないようであれば、国民の賛同を得るのは難しいかもしれません。

お金があるから大きない買い物をしよう、という時代ではない

ポイント還元率は中小企業、小売の方が高く、大企業やチェーン店の方が低くなっています。プレミアム商品券の利用も合わせて、政府は小規模商業店の売上増加を見込んでいますが、店舗側の見解は異なります。
今は「お金があるから、大きな買い物をしよう」という時代ではありません。先を考え日々の生活を変えずに暮らすことを、優先する消費者が増えています。
そのためプレミアム商品券や還元されたポイントの利用先は、日々の生活に最も近いスーパーや食料品ではないかとの見方が多い傾向にあります。
政府の出した試算とエコノミスト、研究所等の試算には大きな差異があり、ポイント還元制度とキャッシュレス決済がどこまで広まるのかという不安が見られます。

【日本の未来】シニア世代の就業率と、年金システム

就業率に関しては増加の傾向にありますが、増加しているのは65歳以上のシニア世代だけです。人手不足解消のためにシニア世代の需要が増えた一方で、後ろには年金の問題が見え隠れしています。
厚生労働省は毎年、厚生年金保険・国民年金事業の概況を公開しています。平成30年の最新概況は、以下の通りです。

国民年金の給付状況 前年同月より101万人(3.0%)増加の、3,474万人
国民年金の平均受給額 平成30年1月時点で、5万5,572円
厚生年金の給付状況 前年同月より92万人(2.6%)増加の、3,495万人
厚生年金の平均受給額 平成30年1月時点で、14万7,240円

出典:厚生年金保険・国民年金事業の概況(平成30年1月現在)

多少の貯蓄があったとしても、これでは働かなければ食べていけません。国民年金、厚生年金共に、毎年受給者が増加しています。一方で、適用状況と呼ばれる年金を払う側は減少している項目もあります。(詳細データは、出典先を参照)
純粋に就業率が増加し、失業率が下がったのであれば、それはとても喜ばしいことです。ですが、その裏に見える問題こそ、国民にとって最優先の問題ではないでしょうか。

まとめ

厚生労働省が発表した統計データとは逆に、企業や国民は日本経済の行方を冷ややかに見ているようです。確かに消費増税をもろに受ける企業と国民は、期待を胸にワクワクすることなどできないでしょう。
ただその一方で、政府はポイント還元制とキャッシュレス決済を推奨しています。世界各国では紙幣の利用率がどんどん下がり、ひとり1枚、クレジットカードを持つことは当たり前になりつつあります。
5月には新元号へ変わり、既成概念から離れるときが来たのかもしれません。
多くのエコノミストの予想は景気低迷ですが、それぞれのお財布事情は異なります。春の統一選挙と夏の参院選をよく観察し、備えを見直しましょう。