マラソン札幌開催と「さっぽろ夏祭り」ビアガーデンのどちらの経済効果が高い?

2020年の東京オリンピックに向けて、マラソンと競歩に限り、北海道札幌市で開催する流れになりました。この決定について東京都と札幌市の両方で賛否が分かれています。それはどうしてなのでしょうか。

そこで、2020年の東京オリンピックのマラソンが北海道札幌市で開催されることで、どのような影響が心配されているのか、とくに経済的な影響に注目しながら、そのメリットとデメリットをあわせて解説します。

2020年の東京オリンピック期間中のビアガーデンは?

2020年の東京オリンピック開催期間中、マラソンと競歩が札幌市で開催されることになり、札幌市民は大盛り上がりになるかと思いきや、冷ややかな反応も目立ちました。その理由が、7月から8月にかけて、札幌市中心部の大通公園で「さっぽろ夏まつり」のビアガーデンが開催されているからです。

マラソン・競歩の競技時間は約2時間。しかし、札幌市で開催されると、そのエリアを1か月から1か月半にかけて大会組織委員会が資材や機材の置き場として利用することになります。そこで、「さっぽろ夏まつり」を開催すること自体が難しくなることが懸念されいるのです。

ビアガーデンがどうなるのか心配な札幌市民

とくに、マラソン・競歩のスタート地点として、ビアガーデンの開催エリアである大通公園が濃厚になったことで不安が増大。夏の風物詩であるビアガーデンが中止になるのでは?と心配する札幌市民が続出する状況になりました。

札幌市民が必ずしも歓迎ムードではなく、東京都も開催地の変更に不快感を示し、東京ルートで調整を進めてきた選手にも影響があるという指摘も。競技の開催地の変更は、全体的に後味が悪い雰囲気を残すことになりました。

そもそも「さっぽろ夏祭り」ビアガーデンとは?

開催地の変更をきっかけに注目を集めることとなった「さっぽろ夏祭り」ビアガーデンとは、どのようなイベントなのでしょうか。これは1959年から始まった歴史あるイベント。今年でなんと59回目を迎えるそうです。盆踊りや屋台などにくわえ、一番の見どころが福祉目的として開始されたビアガーデン。その収益の一部は福祉団体に寄付されることが、このイベントの大きな特徴です。

「さっぽろ夏祭り」ビアガーデンはビールの祭典!

イベントの開催は、大通公園5丁目から8丁目、10~11丁目と、かなり広域にわたります。席数は約1万3000席。この座席数は日本国内で最大規模をほこっています。エリアごとに参加企業が変化。5丁目は「サントリー」、6丁目は「アサヒビール」、7丁目は「キリンビール」、8丁目は「サッポロビール」と、主要ビールメーカーが軒を連ねます。

さらに、10丁目は「世界のビール広場」、11丁目は「札幌ドイツ村」と、世界のビールを楽しめるエリアも。開催期間中、いろいろなエリアを渡り歩き、こだわりのビールを楽しめることが「さっぽろ夏祭り」ビアガーデンの醍醐味。これを楽しみに1年を過ごしている人もいるほど札幌市民に根付いているイベントなのです。

「さっぽろ夏祭り」ビアガーデンの経済効果

長期間にわたって開催される「さっぽろ夏祭り」ビアガーデンは、かなりの経済効果をもたらしていると評価されています。昨年度のビアガーデンの参加者数は1,169,000人(最高観客数は平成18年の1,523,000 人)とのこと。北海道民のみならず道外から来た多くの観光客も含まれています。

また、ビールの消費量は441,266リットル(これまでの最高消費量は平成18年の574,842リットル)と、かなりの量。中ジョッキ(500cc)で 882,532杯分となるそうです。なお、この消費量はビールのみであり、ノンアルコールビール、焼酎、カクテル、ワインは含まれていません。

マラソン大会の開催に力を入れている北海道

マラソン・競歩の開催地が札幌市に変更される際、「さっぽろ夏祭り」ビアガーデンと一緒に注目されたのが「北海道マラソン」。札幌市に白羽の矢が当たったのは、北海道マラソンの実績が評価されたからとも言われています。また、北海道マラソンの経済効果をさらに高めるために、オリンピックがいいきっかけになるという声も目立ちました。

北海道でマラソン大会を開催する経済効果は?

道外からの参加者も多い北海道マラソンの経済効果は25億8000万。その他、北海道では、5月から10月にかけて、全国の主要大会と同じ規模の大会から、自然の風景を楽しみながら走る地域の大会、地域住民の健康増進のための小規模な大会まで、いろいろなマラソン大会が開かれています。

それらのうち主要な16大会を合わせると、参加者の合計は7万9千人。宿泊を前提とする道外からの参加者も多数含まれています。宿泊費、交通費、飲食費、その他の消費をすべて合算すると、その経済効果は約46億円。そのため北海道は地域の魅力発信のためにマラソン大会の開催に力を入れていることも事実です。

マラソンは「さっぽろ夏祭り」ビアガーデンを越えられる?

マラソンの観戦チケットの一部はすでに販売が終わっています。東京で開催することを前提に購入している人の大部分は払い戻しをする可能大。スケジュール上、札幌まで行ける人はかなり限られてくるからです。

大会期間の北海道は夏の行楽シーズン。選手や大会関係者の宿泊先の確保だけでも大苦戦が予想されます。そのため、道外から観戦に訪れたくても、そもそも宿泊先を確保できるのか不透明。通常のマラソン大会のような経済効果をもたらすことができるのかどうかが課題となっています。

まとめ

オリンピック競技の開催地を、この時点で変更する決定は異例中の異例。安全に大会を開催するための準備課題は山積みの状態です。また、「さっぽろ夏祭り」ビアガーデンを越える経済効果がなければ、多くの札幌市民は納得しないでしょう。今後、どのように課題を解決していくのか、注目していく必要がありそうですね。