東京五輪開催中の交通渋滞はどうなる?新たなサービスも登場!

東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて懸念されているのが交通渋滞。7月に交通規制の実証実験を行ったところ、首都圏の国道における渋滞は通常の1.5倍の長さになったそうです。

とくに深刻な渋滞が発生したのが環状七号線。開催期間中はそれ以上の混雑や混乱が起きる可能性も捨てきれません。そこで、東京五輪の交通渋滞を緩和することはできるのか、ロンドン五輪の取り組みと比較しながらまとめてみたいと思います。

【東京五輪の交通渋滞】オリンピックの開催方法の違い

オリンピック・パラリンピックを東京に招致するときに提案されたのが「コンパクト五輪」。晴海エリアに選手村を整備し、その周囲に主要会場を配置するというものでした。ロンドン五輪も同じように、競技施設を密集させて開催。東京五輪の当初の計画は、ロンドン五輪と共通しているところが多かったと言えるでしょう。

しかしながら、東京を舞台にオリンピック・パラリンピックを「コンパクト」に実施することは交通渋滞という点からみるとリスク大。そこで最終的に、埼玉や千葉などにある既存施設を活用することで、来場者を各地に分散させることになりました。

【東京五輪の交通渋滞】ロンドン五輪では徹底的に分散をはかる

ロンドンにおける通常の交通手段は地下鉄、バス、車がメイン。通勤時間帯になるとロンドン市内の道路はかなり混雑することが定番でした。渋滞によりバスの運行ダイヤが乱れることは日常茶飯事。日ごろから通勤に苦労している人が多く、五輪開催中にさらに混雑することが心配されていました。

そこでロンドン市は、五輪開催期間中に限り、地下鉄やバスの利用を控える、時間を変える、迂回することを、ポスター等を通じて市民に呼びかけます。こうした呼びかけは一定の理解が得られたとされています。しかし実際は、不満を持つ人も少なくなかったという現地の声も聞こえなくはありません。

【東京五輪の交通渋滞】都内の利用者の分散は可能か?

東京オリンピック・パラリンピック開催期間中、ロンドンと同じくバスや車の利用者をいかに減少させるかが課題。都内の他の移動手段として考えられるのが地下鉄。ただ、通勤ラッシュ時の地下鉄の混雑はそれ以上で、バスや車の代わりの手段として期待することはできません。

くわえて、五輪期間中に会社での働き方を変えるという選択肢もあります。ロンドン五輪で実行されたのが在宅ワーク。それにより約150万人の外出が控えられたと言われています。勤務時間や勤務方法の変更を企業がどこまで受け入れられるのかも、交通渋滞区緩和の鍵になりそうです。

【東京五輪の交通渋滞】ロンドン五輪では物流業者に働きかける

日中のロンドン市内の道路の主な利用者は物流業者。商品を配送するトラックが市内に集中する傾向がありました。そこでロンドン市は、物流業者に対しても協力を要請。関係する業者は組織をつくり、早朝や深夜に配送する、会社間で配送時間を変えるなどの協力体制を構築。ロンドン市内の混雑をやわらげるため、それは現在も継続されているそうです。

日本も同様に、東京オリンピック・パラリンピックの開催期間中、配送時間の変更や業務縮小を呼びかけています。しかしながら、配送スケジュールの正確さを重んじる日本において、こうした対策を行うことは難しいと、物流業界は難色をしめしています。

【東京五輪の交通渋滞】自転車移動の定着は「レガシー」となるか?

ロンドン五輪のテーマは「レガシー」。開催中だけではなくその後に何を残すのかを念頭に企画されました。その目玉となったのが自転車や徒歩で移動することの推奨。その結果、自転車ユーザーが少ないロンドンにおいて、その利用が定着。ロンドン五輪の代表的な「レガシー」のひとつになりました。

日本でも同じようにレンタサイクルシステムに注目が集まっています。最近は、東京五輪の交通渋滞を視野に入れて、自転車のシェアリングサービスに参入する企業が増加。もともと提供しているレンタサイクルサービスを拡大する企業も目立ち始めています。

【東京五輪の交通渋滞】注目のレンタサイクルサービス

都内で利用できるレンタサイクルとして話題となっているのが「ドコモ・バイクシェア」。NTTドコモの子会社である(株)ドコモ・バイクシェアが自治体を協同して提供しているサービスです。ここで利用できるのが電動アシスト自転車。パソコンやモバイルを通じて会員登録したうえで借りることができます。

ソフトバンクグループが新しく設立した自転車シェアシステムが「ハローサイクリング」。こちらも電動アシスト自転車の貸し出しサービスで、コンビニエンスストアや自転車店など幅広くステーションが設置されることが特徴的です。都内のなかでも東部エリアをカバーしているサービスです。

まとめ

東京五輪の開催にむけて、交通渋滞を緩和させる方法を探るため、さまざまな検証実験が行われています。同時に、新しい移動手段を提案するために、企業が創意工夫をこらしたサービスの提供を開始。このような流れはさらに拡大していくと思われます。

東京五輪が終わった後、交通渋滞を緩和させるための方法やサービスは、どれだけ定着するのでしょうか。日本代表選手のメダル獲得数にくわえて、こうした点についてもぜひ注目していきたいところですね。