どうして今のタイミング?緊急事態宣言

新型コロナウィルスの感染の拡大を防ぐために緊急事態宣言が発動されました。緊急事態宣言を出すか否か、タイミングについてはだいぶ前から議論されています。海外の動向と比較すると遅すぎるという印象も強い緊急事態宣言のタイミング。そこで、緊急事態宣言が躊躇された理由について、いくつかの視点からまとめてみました。

緊急事態宣言とは?

緊急事態宣言とは、日本独自のものではなく、ほとんどの国に備わっている制度です。英語ではState of emergencyと呼ばれ、テロ、暴動、内乱など、国民が命の危機にさらされたときに発動されます。また、大規模な自然災害や疫病の流行に対して出されることもあります。とくにアメリカは、軍事的な脅威などから緊急事態宣言を定期的に発動。また、疫病や自然災害が起こりやすい発展途上国でも緊急事態が宣言される傾向があります。。

ロックダウンとの違い

多くの人が気になるのが緊急事態宣言とロックダウンの違いです。議論が同時進行だったため違いが分かりにくく感じる人もいるでしょう。ロックダウンとは「封鎖」という意味。指定されたエリアの建物の出入りが厳しく制限され、住民の行動にも制約が課せられます。緊急事態宣言の場合、同じ行動を各自が自主的に行うというニュアンスです。

緊急事態宣言のタイミング①:経済的な打撃

緊急事態宣言は、海外ではすでに発動されていることを受けて、日本でも早期に対応する必要があると言われてきました。しかし、なかなかそれを出せなかった理由のひとつが、経済的な打撃を懸念したことがあります。緊急事態宣言を出すと、一部の施設やサービス業は
営業の停止を余儀なくされます。実際、自粛要請が出されるなか、廃業するお店や施設が増加。それがさらに加速することを心配する声も強かったようです。

自粛であることに変化はなし

緊急事態宣言は、強制力があるわけではなく、これまでと同じように自粛要請にとどまります。そのため、自粛要請の対象となったお店や施設の多くは、「要請の内容」を見て判断することになります。また、それらの利用者も、入店したら罰則が科せられるわけではありません。とはいえ、外出に対する危機感は確実に生まれるでしょう。

緊急事態宣言のタイミング②:補償の準備

緊急事態宣言の決定は、自粛対象となる店舗などへの補償の大枠が決まったことも大きいでしょう。これまで、自粛を余儀なくされるお店などを救済するための補償内容は、二転三転してきました。このタイミングで緊急事態宣言が出されたのは、保障内容・方法に関する大まかな合意ができたと予想されます。

補償を受けるのは狭き門

とはいえ、影響を受けている自営業主や中小企業は、自粛期間の長さにより状況が変わってきます。そのため場合によっては、一時的な給付金では解決にならないという声も。給付金をもらう場合も、すべての申請が認可されるわけではありません。きびしく審査したうえで、給付の有無が決定されます。

緊急事態宣言のタイミング③:社会的な混乱

社会的な混乱を避けたかったことも、緊急事態宣言が遅れた背景にあるようです。新型コロナウィルスの感染者数が増えはじめた時期、すぐに日本では店頭からマスクが消えました。さらに、誤った情報が拡散されたこともあり、トイレットペーパーやお米の買い占めも発生。社会はちょっとしたパニック状態になりました。そうした経緯もあり、自粛要請を出しながら情報の訂正を続け、落ち着くのを待っていた可能性があります。

それでも大量の買い出しが発生

今回の緊急事態宣言では、日用品を扱うお店は自粛の対象外となっています。在庫も十分にあるため品物が無くなることは基本的にないと断言されています。しかしながら、緊急事態宣言を前に一部で大量の買い出しが発生。同じく対象外のガソリンスタンドにも、長蛇の列ができるケースがあったそうです。

緊急事態宣言のタイミング④:病床数の確保

いろいろな懸念材料がありながら、このタイミングで緊急事態宣言が出された決定的な理由が、病床数の確保であると思われます。日本では軽度の症状も含めて感染者が増加。現在のペースで感染者が増えると必要な病床が確保できないと言われはじめました。緊急事態宣言が発動されると、土地や建物を同意なしで臨時医療施設として利用できるようになりますので、病床数を確保できるというわけです。

近所が臨時医療施設になったら?

現在、一部の宿泊施設が軽症の感染者の待機先となっていますが、近隣に住む住民の一部は不安を口にしています。この先、臨時医療施設がつくられる場合、感染者の待機方法や医療体制などを公開し、誤解や不安を取り除く作業も必要になりそうです。

まとめ

緊急事態宣言はどのくらいのあいだ発動されていくのか、どのタイミングで新型コロナウィルスが落ち着くのか、ほとんどのことが未知数です。そのため、緊急事態宣言により社会の雰囲気や経済状況にどのような変化が出てくるのか見守る必要がありそうです。