新型コロナウィルス感染に対する外国の反応~ベトナムの場合~

中国の武漢市にて、新型コロナウィルスに感染したことによる肺炎が広がっています。市内の市場で売られていた野生動物が感染源という話も。研究が進められているものの、分からないことも多く、世界中で不安が広がっています。

日本でも、ビジネスマンや観光旅行者などの出入国が頻繁にあることから、国内の感染確認が徐々に増えてきています。それは他の国でも同じ。そこで新型コロナウィルスに対して、他国の市民はどのような反応を示しているのか、ベトナムを事例に解説します。

ベトナムでは2名の新型コロナウィルス感染者が確認

現在、ベトナムでは5名の新型コロナウィルス感染者が確認されています。感染者は、武漢から入国した中国人親子2名、日系企業に勤めているベトナム人3名。日系企業の従業員は、武漢市の工場に研修に行って帰国したあと、感染が確認されました。

ベトナム国内で感染者が出たことがオープンになったのは1月末。ベトナムの旧正月(テト)の大型連休の後半でした。この報道をうけて、医療用のマスクをして歩く家族が一気に増加。赤ちゃんは外出を控えさせているのか、見かけることが少なくなりました。

ベトナム北部と中国南部は隣接

ベトナム北部と中国南部は隣接しており、比較的簡単に出入りできる現状があります。物品を売買するために、カートを押して入国する中国人も多数。出入り自由に近いと言ってもいいでしょう。そのため感染者の確認は、ベトナム国内でかなりのインパクトを与えました。

中国と共通する食文化があるベトナム

武漢市で新型コロナウィルスが拡大した背景として、野生動物を食べる習慣「野味」(いわゆるジビエ)があったと言われています。海鮮市場で売られていたアナグマやタケネズミを感染源とする見方が濃厚に。衛生状態がかなり悪い状態だったという証言も出ています。

ベトナムでも、スカンクや鹿のような珍味系ジビエが存在。地域差はありますが、山岳エリアになると野生のネズミを食べる習慣が残っています。野生の犬猫を捕獲して食べるケースも皆無ではありません。こうした共通点の多さから、感染の拡大が心配されています。

食肉の衛生状態は十分ではないベトナム

ベトナムの道を歩くと、路上のお店で鶏、牛、豚などの肉が売られています。これらの肉は、路上で直接解体され、常温の状態で並べられています。鮮度がいいとはほど遠い状態。何らかのウィルスが発生しても不思議ではない印象があります。

外資系企業が多いため武漢との往来も多い

ベトナムには、日本、韓国、そして中国の企業が数多く進出しています。さらに、新型コロナウィルス感染の経緯に、日系企業の武漢研修があったように、中国企業でなくても武漢が関連しているケースが少なくありません。

このような企業の関係者の利用が多いのが富裕層向けの高層アパート。国内における新型コロナウィルス感染のニュースをうけて注意喚起の張り紙が掲示されました。武漢から入国した人は、すぐに保健省に申し出るように言われています。

実際に申し出ている人は少ない?

このような掲示があるものの、会社が積極的に対応していない限り、実際に申し出ている人は少ないと思われます。外国人の立場からすると、どのように申し出ればいいのか分からず、また万が一、感染が疑われた際にどのような対応がとられるのか、不安を感じるからです。

ベトナム当局は中国観光旅行者の送還を開始

当時、ベトナムには中国からの観光旅行者が数多く訪れていました。とくに中国人の観光客が多いのがカインホア省とダナン市。そこで、同地域と中国感染地域を結ぶ国際航空路線の運航が一時的に停止されました。

カインホア省とダナン市の中国人の観光客は、1月末に全員送還を終える計画ですが、実際はまだ残っているようです。また、ダナン市では数十名の感染の疑いがある人が確認され、隔離されています(数名の陰性反応が公表されています)。

ベトナムは中国人に対するビザ発給も一時停止

ベトナム北部と中国南部は、自由に行き来できる環境がありましたが、現在は通行禁止。中国人に対する観光ビザの発給も一時的に停止されています。旧正月に帰国した中国人の受入れは、2月中旬をめどに再開されるようです。

日本人のベトナム渡航は安全?

春休みシーズンに向けて、ベトナム観光旅行を計画している人も多いと思います。ベトナムに渡航することに不安を感じる人もいるでしょう。今のところ、数名の感染者が確認されているものの、心配するほどの感染拡大の報告は出ていません。

とはいえ、滞在中に風邪をひいたり、食中毒を起こしたりすると、問題が複雑になりかねません。そのため体調を崩さないように、無理なスケジュールをたてない、衛生状態が悪そうなお店では食べないなど、配慮した方がいいかもしれません。

マスクは現状、販売中

日本ではマスクが手に入らないとニュースになっていますが、ベトナムでは品薄というほどではありません。とはいえ、棚のマスクをすべて買い占める人も見かけます。品薄になる可能性もあるので、できるだけ日本で用意しておいた方がいいでしょう。

まとめ

春の観光シーズンは、世界各国で出入国者が増えます。そのため各国の事情に応じて、新型ウィルス感染の拡大を防ぐための措置がとられています。国によっては日本人の入国を警戒する雰囲気がありますので、事前に情報を集めておくことが大切になります。