日本は睡眠後進国!仮眠が有効?睡眠不足の影響や企業の対策のまとめ

日本でよく見かける光景が電車のなかで爆睡する姿。実はこのような姿を見てびっくりする外国人が多いそうです。最近は、授業中に寝てしまう小学生が多いことも社会問題に。日本人は、世代を超えて睡眠不足であると言われています。今、日本の睡眠事情はどのようになっているのでしょうか。睡眠不足の影響や企業の対策なども併せてまとめてみました。

【日本は睡眠後進国①】睡眠啓発を進める厚生労働省

現在、厚生労働省が推進しているのが「スマート・ライフ・プロジェクト」。健康づくりを推進するプロジェクトです。この事業の一環として2019年9月に行われたのが睡眠を啓発するイベントです。

9月1日から30日にかけての健康増進普及月間に、「睡眠・休養」をテーマとするトークセッション等が開催されました。当イベントの参加者は企業の総務人事関係者など。健康寿命をのばすために企業等でとりうる対策などが議論されました。

仮眠や昼寝をとれる労働環境が大切

トークセッションのなかで指摘されたのが、日本社会そのものが睡眠をとりにくい環境であること。仮眠や昼寝は「さぼっている」というイメージがあり、罪悪感を抱かせる傾向があります。そこで日本社会が仮眠や昼寝を好意的に受け止める必要があるとされました。

【日本は睡眠後進国②】平均睡眠時間が少ないことが判明

経済協力開発機構(OECD)が平均的な睡眠時間を調べたところ、多くの国の1日の平均睡眠時間は500分を超えていました。アメリカは528分、イギリスは508分、フランスは513分という結果でした。

それに対して日本の平均睡眠時間は442分。睡眠時間が極端に少ないことが判明しました。ここから日本は睡眠の「後進国」であることが問題視され、問題解決に向けた施策が講じられるようになります。

睡眠時間が短くなることの影響

睡眠時間を十分に確保されないと、健康状態はもちろん経済にも悪影響をおよぼすという指摘が。日本人の睡眠時間の不足は、企業や日本経済の成長を阻む原因になると考えられるようになりました。

一般的に睡眠が不足していると、記憶力が低下するのみならず、記憶障害や言語障害が引き起こされる危険性があるとのこと。睡眠が不足した状態が続くと、仕事の効率が悪くなり、会社全体のパフォーマンスが低下する可能性があるのです。

【日本は睡眠後進国③】睡眠時間が削られる原因

日本人の平均睡眠時間の少なさの原因として挙げられているのが以下の3つです。

・日本人の1日あたりの労働時間の長さ
・都市部を中心とする長い通勤時間によるストレスの蓄積
・スマホの使い過ぎによる覚醒と睡眠の質の低下

睡眠不足の原因とされる3つの傾向が、すべて当てはまる人も多いのではないでしょうか。寝ている時間が少ないだけではなく、その質も低下していることが、日本人の睡眠事情の現状というわけです。

長時間働くから生産性が低下するという悪循環?

OECDによる労働時間に関する国際比較調査から明かになったのは、日本の残業時間はフランスの三倍であるということ。日本はフランスをはるかに超える時間を仕事につぎ込んでいるものの、それが成果につながっていないということになります。

【日本は睡眠後進国④】アメリカでは学生向けの対策を開始

日本よりも睡眠時間が確保できているアメリカですら、睡眠時間を確保するための対策が講じられるように。それが「Start School Later 運動」と呼ばれるものです。アメリカでは学校の始業時間は7時半から8時のあいだ。それを8時半から9時に変えようとする流れが起こっています。

現在、始業時間の変更はアメリカ全土の250の高校で導入されており、さまざまな効果があらわれました。生徒のうち60%は、睡眠時間が8時間以上に増えたことで、成績平均値がアップするのみならず、授業態度も良くなったとのことです。

睡眠時間が増えたことで犯罪率が低下

「Start School Later 運動」により睡眠時間が長くなったことで、アメリカではマリファナ、酒、タバコの使用率も低下。さらに、生徒が運転する車による交通事故の件数も大幅に減るなど、犯罪率の低下にもつながりました。

【日本は睡眠後進国⑤】フランスでは仮眠室を設置する企業が増加

就業時間中に仮眠をとることに寛容なのがフランス。2013年に行われたある調査によると管理職の47%が勤務時間中に仮眠をとることに賛成しました。実際、オーガニック製品メーカーである「レア・ナチュレ」は、オフィス内に設置された仮眠室で30分寝ることをスタッフに許可しました。

短い時間の仮眠は頭の回転を良くしてくれる

短い時間の仮眠をとると、お昼後に襲ってくる眠気が少なくなり、脳波レベルでも眠気の緩和が確認されました。さらに、クイズの正答率がアップするなど、頭の回転も良くなるという報告も。ここから、眠気と戦いながらダラダラ仕事をするなら、10分の仮眠をとった方が仕事の効率がはるかに高まると考えられました。

【日本は睡眠後進国⑥】睡眠不足は鬱状態を引き起こす心配も

近年の日本では、過酷な労働を強いられるなか、鬱状態に陥り自殺するケースが増えています。寝不足は、心を穏やかにするセロトニンの働きを弱め、自殺を促すという見方も。衝動性を抑える働きも弱まり、何らかのきっかけで衝動的に自殺するともいわれています。

仮眠大国ベトナムでは自殺者は少なかったが…

ベトナムは仮眠が正々堂々ととれる国。オフィスの床で毛布にくるまって寝る、銀行のカウンターで女性行員が寝ていることも珍しいことではありません。ベトナムでは自殺者数は少なく、どちらかというと遠い国の話。しかし最近は、若者が自殺するケースが目立ち始め、とくに日本に行った技能実習生の自殺者数が増えています。

まとめ

日本における睡眠不足は、日本人の心身の健康に影響を与えるだけではなく、国の経済を停滞させるという見方もあります。徐々に政府のみならず企業レベルでも対策を講じるケースが増えているため、10年先には日本人の働き方も大きく変わっているかもしれません。