内閣改造とは何?そのメリットとデメリットを解説

2019年9月3日に安倍晋三首相は、内閣改造と党の役員の人事を行うことを発表しました。国民の支持と信頼に応えるための人事の刷新であるとしています。ここで不思議に思うことは、それでは最初の人事は不十分だったの?ということ。実は内閣改造を行う背景にはさまざまな事情があるんです。そこで内閣改造とはそもそも何なのか、そのメリットやデメリットを解説してみたいと思います。

【内閣改造①】内閣とはどのような組織?

内閣とは「総理大臣と国務大臣から構成される組織」のこと。総理大臣は政治をつかさどるトップで首相と呼ばれることもあります。国務大臣は、総理大臣により数十名が指名されます。大臣を選ぶ基準はおおむね次のような基準です。

・大臣候補者のこれまでの実績や適性
・派閥のバランスの調整
・内閣内のジェンダーバランス(女性を何名入れるか等)
・内閣の顔となる知名度や話題性

総理大臣は、自分が一緒に政策を進めやすい人を選ぶ傾向がありますが、派閥が偏ると政権内で反発が強まる可能性が出てきます。また、男性ばかりであると国民の支持が受けられにくい政策があるため(子育て関係など)、戦略的に女性を数名入れることがあります。

【内閣改造②】代表して記者会見するのが官房長官

大きな出来事や事件があったときだけ目が行きがちですが、内閣はまいにち記者会見を開催しています。内閣を代表してこの記者会見を行うのが官房長官。名称をよく聞くものの実際なにをしているの?と感じる人も多い役職。実は総理大臣の重要な右腕的存在です。

・内閣が抱えているさまざまな案件について関係部署と調整する
・同じ案件について与党を中心とする国会各会派と調整する
・政府の公式見解をスポークスパーソンとしてメディア等に発表する

官房長官が担当する範囲は日本の行政の大部分。閣議のときには進行役もつとめています。とくに重要な事項があるときは、代表して説明したり弁明したりすることから、内閣のイメージを大きく左右する立場でもあります。

【内閣改造③】大臣は各省庁のトップ

総務大臣、法務大臣、外務大臣、財務大臣、文部科学大臣などなど。これらの大臣は日本の12省庁のトップに位置づけられる役職です。国会で大臣が答弁する際、内容を把握しておらず、しどろもどろになる場面あるように、必ずしも省庁の専門性を有しているわけではありません。

それぞれの大臣は12省庁のトップとなりますが、実際に政策を立案していくのは官僚。官僚は政治家ではなく国家公務員のワンランク上、というイメージでとらえればいいでしょう。官僚は、そのときの大臣(内閣)の方針に合わせてさまざまな計画を立てます。

【内閣改造④】支持率が不安定なときに顔ぶれを変える

内閣を構成するメンバーを変えるきっかけとなるのが支持率の低下。景気が良くならない、外交の成果があがらない、もともと選挙時で過半数ギリギリだったなど、内閣改造を決断する理由はそのときの事情で変わります。共通しているのが「風向きを変える」ために行うという点です。

構成メンバーは経験があるものの知名度がイマイチだった場合、雰囲気を変えるためにメディア露出の多い政治家を入閣させます。「話題性だけ」と批判が出ているときは、反対に実績重視のメンバーに変えることも。顔ぶれを変えることで国民の興味を引き、支持率を上げようとする狙いがあります。

【内閣改造⑤】派閥のバランスを配慮して選手交代

内閣改造を行う背景として、与党内の人間関係・派閥関係を改善することに狙いがあることがあります。政策を実行するとき、与党内だけであってもいろいろな利害を調整する必要があります。内閣改造により対立する派閥のメンバーを入閣させることで、障壁を取り除こうとする内部事情のあらわれなのです。

国民から見て内閣改造を行う理由が明確な場合と、「どうして今なの?」と疑問に思う場合があります。趣旨がよくわからないときは、政策を進めていくうえで内部対立が発生しており、それを解消するために内閣改造を決断したのかもしれません。

【内閣改造⑥】「攻め」と「逃げ」のどちらであるか見極める

内閣改造は、政策をスピーディーに進めていくうえで前向きに評価できるときもあります。しかし、政策の進展がみられない、支持率低下が顕著である、内閣メンバーに不祥事があった…そんなタイミングでの内閣改造は、イメージダウンを免れるための「逃げ」である可能性が高いと言えるでしょう。

「攻め」であるのか「逃げ」であるのかを判断するためには総理大臣の人選をチェックすること。大臣の人選は政権のやる気のバロメーターとして捉えることができます。そのときの重要案件を本気で解決するための人選になっているか、単なる仲良しグループを作っただけなのか見極めることが大切です。

まとめ

新しい内閣の構成メンバーが発表されたら、総理大臣との政治的関係性や各大臣のこれまでの実績、年齢や性別のバランスなどいろいろな角度からチェック。大臣などの発言等から政治思想を把握することも日本の政治の方向性をつかむ目安になると思います。