電気グルーヴから学べ!日本の違法薬物問題と真剣に向き合う

コカインを摂取したとして先日、電気グルーヴのピエール瀧容疑者が逮捕されました。電気グルーヴとして長年共に活動してきた石野卓球氏は、ピエール瀧容疑者の逮捕を受け、腕に電気グルーヴのマークをタトゥーにして彫りました。

日本も違法薬物で逮捕される人はいつの時代もいて、アーティストや芸能人が逮捕されることも度々あります。身近にそういった人がいるという人も多く、違法薬物を単純な罰則とせずに治療しようという専門家も多いのです。

電気グルーヴの愛に隠された「薬物中毒者が本当に必要なもの」

例えば、長年仕事を共にしてきたパートナーがある日、違法薬物で逮捕されたとします。アルバムの発売やライブイベントは中止となり、パートナーだった自分までもがメディアの目に晒されたとします。

そんな状況の中で、容疑者と書かれた漫画の一コマをツイートしたり、グループの目印を腕に彫るということができるでしょうか?

それをやってのけるのが電気グルーヴという存在なのかもしれませんが、今回逮捕されたピエール瀧容疑者の相方である石野卓球氏は以上のような行動を取りました。

しかし、所属事務所の対応は、石野卓球氏とは真逆の行動を取っているといえます。週刊誌にツイッター民、ネットメディアと今では敵の多い芸能界にとって、真っ先に火消しに走ることは賢明な判断といえます。ですが、異常とも取れる対応に、一部のファンは「作品に罪はないだろう!」と署名活動を始めています。

日本でも数々のアーティストや芸能人が違法薬物で逮捕されていますが、ほとんどの人は刑期を終えても完全に復活できることはありません。グループに所属していたとしても、ほとんどの相方は前科者の相方に見切りを付けます。

一般的に考えれば普通のことかもしれませんし、グループであれば尚更、裏切られたという気持ちは強く感じるものかもしれません。そもそもしなければいいだけの話なのですが、起こってしまったことを後悔しても仕方ないものです。

そこで「これからどうしていこうか」と考えますが、違法薬物で捕まった人に対して「これからどうするか」を共に考えてくれる人は少ないです。本人が考えるのはもちろんのことですが、一緒に考えてくれる相手という存在はとても大きな意味になります。

しかし、多くの違法薬物で逮捕された人にはこの存在がいません。逮捕と同時に見放され、罪を償っても行く先はなく、自暴自棄になりまた薬物に手を出す人がとても多いのです。

幸いなことに、電気グルーヴはこの悲劇を避けられるといえるでしょう。石野卓球氏はピエール瀧容疑者の逮捕を受けて、より一層ピエール瀧容疑者を好きになったのではと思うような行動をしています。ピエール瀧容疑者の出演作も一部そのまま放送されることが決定するなど、完全に見放すことはしないと懐深く帰りを待っている場所がたくさん残されています。

多くの薬物中毒者にこのような「帰る場所」が残っていたとしたら、彼らの大半は再犯することなく社会生活を送れるといえます。しかし日本はまだまだ薬物に対する偏見があり、贖罪ではない「治療」という概念がほとんどありません。

では、薬物中毒者に必要な「治療」とはどんなものでしょうか。

なぜ薬物を使うのか、なぜ薬物がいいのかを突き止める治療

IQの高い人ほど違法薬物を好む、という大学の論文結果があります。意外に思われるかもしれませんが、違法薬物を好む傾向にある人はIQが高く、そのために高度な快楽を追い求めがちだといわれています。

コカイン摂取により逮捕されたピエール瀧容疑者は、「ストレス発散のために使用していた」と供述しています。しかし、日本には合法とされるストレス発散法=嗜好品が、たくさんありますよね。多くの人が愛飲しているアルコールに、愛好家の多いタバコ、パチンコにスロット、ヨガや絵を描くなど、合法的にストレスを発散させる方法はたくさんあります。

しかし、薬物中毒者はそれでも薬物を選びます。中毒者なのだから当然ですが、中毒者になる前の時点で、罪の意識はあっても薬物を選びますよね。それがなぜなのかを突き止めなければ、選択肢をいい意味で減らすことはできません。

違法薬物のメリットはたったひとつだけ、合法的なストレス発散法よりもずっと多くのストレスを1度で発散させることができます。即ちそれだけの快楽を1度で得られるということですが、それに代わる、同じだけの快楽を得られる合法的な方法はセックスだけです。ですが、悲しいことに違法薬物のほとんどはセックスとセットになっているので、薬物中毒者は通常行うセックスでは以前のような快楽を得られなくなっています。

IQが高い人は知的欲求心が強いため、「もっともっと」という感情が強く出ます。快楽を覚えても「もっともっと」となり、薬物を使えば欲は加速していく一方です。それらを止める、または他の代用品で満足させるために必要なものは、罪を償うことではなく「治療」だというのがご理解いただけるでしょうか。

人間は欲の塊!罪を犯す人と向き合えば、日本は明るくなる!

最初から高度な快楽を知らずにいれば、治療を受ける必要もありませんよね。しかし、日本の薬物検挙数はきれいごとを言っていられるレベルではなく、いつ身近な問題になってもおかしくないほどです。

出典 : https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/drug/drug/tokei.html

一旦は減少傾向にあったものの、平成26年からは再度上昇の傾向にあります。インターネットの普及により監視が届かないネット上での取引や、宅急便を利用するなど、薬物の取引も時代に伴い変化しています。

しかし、変化する薬物問題に対し、対応策は一辺倒で変わりありません。多くの事柄が時代に伴い変化していく中で、そろそろ目を向けなければいけない問題になりつつあるのかもしれません。

そもそも人間は欲の塊で、欲があることは恥じらうことでも悪いことでもなんでもないのです。欲しいと思う感情は正常であり、誰にでもあるものです。ですが、この社会で生活している以上、他の人間に迷惑をかけるのは別ですよね。「薬物を使うこと自体は誰にも迷惑をかけていない」という人もいます。でも心配させる、不快にさせる、という迷惑もあるのです。

では、迷惑をかける人は「排除」すればいいのか、というとそうでもありませんよね。一概にはいえない罪もあり、そのために情状酌量という愛があります。刑務所はそもそも「排除する場所」ではなく、社会生活を再構築するためにある場所です。罪を償えば再び社会で暮らすことができると保証されており、更生へ向けたプログラムも多数組まれていますよね。

彼らが再び社会で暮らせるだけの設備、状況は既に整っているものの、一辺倒では解決できないこともあります。教科書通りでない答えが時には正解であるように、薬物中毒者には罪を償うという刑務所生活よりも、快楽を知ってしまった脳を治療するという病院生活が必要なのです。

臭い物に蓋をするのはもう終わり!薬物を正しく知ろう

世界で最も中毒者が多いといわれているのは、大麻です。他の薬物と違い自宅で簡単に栽培できてしまうこと、また合法とする国が多いこともあり、イリーガルな薬物を始めるきっかけにもなりやすい薬物が大麻だといわれています。

違法薬物と呼ばれるイリーガルな薬物は、大きくふたつに分けることができます。ひとつは大麻やアヘン、コカインのように自然由来の植物から採取できる薬物です。もうひとつは、覚せい剤やLSDなど、完全に人の手によって作り出された薬物です。

違法薬物の中で最も死亡者数が多いのは、ヘロインです。ヘロイン、アヘン、モルヒネは同じ原料からできており、それが日本では栽培が禁止されている「ケシ」です。今回ピエール瀧容疑者が逮捕されたコカインは、コカという木から採取できる薬物です。

どの薬物も身体的、精神的に悪影響を与えることは周知の事実ですが、効果、効能は薬物によって異なります。背景には他の依存症問題と併発している場合も多く、一言では語れないのが薬物問題です。

色眼鏡で見ることである意味、抑止力になっている部分もあるのかもしれませんが、だからといってそのままでいいわけではありませんよね。薬物を正しく知ることで、根本的に解決する道をより明るくすることもできるのです。

まとめ

悲しいことに、薬物によって検挙される人は後を絶ちません。いつの時代も、どこの国にも一定数、薬物依存に悩む人がいます。各国はその対応に追われていますが、日本もそろそろ本腰を入れて根本的解決に向けて動き出すときが来たといえるでしょう。