憲法9条を改正したらどうなるの?日本の自衛隊の役目とは

安倍総理は就任以来、憲法改正を強く訴えてきました。現時点で改正はされていませんが、憲法改正によって何が変わるかを、理解している人は少ないのではないでしょうか。
最も影響を受けるであろう自衛隊員と、有事の際には犠牲になりかねない国民、そして現在の世界情勢と、様々な観点から解説していきます。

自衛隊は、何のために存在するのか。安倍首相が訴えることとは

日本の自衛隊は、以下のように定義されています。
自衛隊法第3条第1項により「我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当たる」ために設置された軍事組織であり、国際法上は軍隊として取り扱われる。
引用:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E8%A1%9B%E9%9A%8A

日本の自衛隊は軍隊ではなく、自国の平和維持のための組織です。ですが、戦力がないのかといえばそうではありません。
日本国憲法9条は国際紛争を解決する手段としての「戦争の放棄」と「戦力不保持」、ならびに「交戦権の否認」を定めているが、政府見解によれば憲法は自衛権の放棄を定めたものではなく、その自衛権の裏付けとなる自衛のための必要最小限度の実力は憲法第9条第2項にいう「戦力」には該当しない。
引用:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E8%A1%9B%E9%9A%8A>/a>

現在の自衛隊の立場と憲法9条で定められていることには、矛盾が生じています。自分の身を守るために武器は必要であるというのが、政府の見解です。そのため国際法では軍隊として扱われ、他国との演習にも度々参加しています。
では、安倍首相が訴えている憲法9条改正とは、一体どういうことなのでしょうか。

憲法を改正して、矛盾を無くしたいだけなのか。軍を持つのか。

安倍首相が党首を務める自民党には、ふたつの意見がありました。
1.憲法9条1項・2項は維持した上で、自衛隊を憲法に明記するにとどめる
2.憲法9条2項は削除し、自衛隊の目的・性格をより明確化する改正を行
憲法改正の最大の争点といわれているのが、憲法9条2項です。詳細は以下の通りです。

【憲法9条2項条文】
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
引用:Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95%E7%AC%AC9%E6%9D%A1

憲法を定めた当時、日本は戦争をしたくないと強く感じていました。戦争に負けたからそう感じたのではなく、世界中が悲劇を繰り返してはならないと学びました。そうして第二次世界大戦以降、日本は戦争をすることなく、平和的外交手段で世界と付き合ってきました。
ですが、世界情勢の変化に伴い、自衛隊の存在意義にも変化が生じています。必要とされる側面も変わりつつあり、有事の際に備えておくことは必要不可欠な時代です。
自衛隊イラク派遣は、憲法違反だといわれています。ですが、他国との平和協定を守るために必要な措置であり、また世界平和の維持にも欠かせないものでした。
このように現在の憲法では法律、条例の間に矛盾点があり、それらをどの程度まで解消するかというのが争点です。
2項を削除することで、戦争をする気があると捉える国もいます。日本としては戦争をするためでなく、変わりゆく世界情勢に対応しようとしているだけです。でも思った通りに相手が受け取ってくれないことは、個人間の問題でも多々あることですよね。
憲法を改正するにあたって、大きな影響を受けるのは現在の自衛隊員です。もしも軍隊として扱われるようになれば、災害派遣などだけでなく、紛争地域や戦争地域への派遣の可能性も出てきます。

他国軍から垣間見る、戦争が与える心の傷

もしも戦争が起こったとしたら、国を守ってくれる存在がいることはとても心強いものです。ですが、戦争は殺し合いです。いくら本人が望んで就いた職とはいえ、その代償は計り知れないものがあります。
戦争で兵士がなる病の中に、PTSDという精神病があります。2003年から5年間行われた、自衛隊イラク派遣では、30人近い自衛隊員がPTSDを発症しました。
PTSDの最も怖いところは、現地でならずとも帰国後に発症するパターンがあることです。タイムラグで発症するPTSDは、本人もきちんとした自覚がないまま、耐えられずに自殺してしまうケースもありました。このケースはアメリカ兵を題材とした映画にもなっており、大きな話題を呼びました。
科学が日々進歩していくことは、私たちの生活を豊かにしています。一方で核兵器の開発や、より大量に、より激しく、攻撃できる武器が作られているのも事実です。
世界情勢に柔軟に対応する必要もあり、蔑ろにはできない問題もあります。戦う意思はなくても、国を守るためにはなにが必要なのでしょうか。

自分を守るために、力が必要。世界各国の軍事力は?

私は戦いません、私は武器も持ちません、戦争はしません。と表明していても、それを無視して攻撃してくる国が「絶対にない」とはいえない世の中です。
永世中立国を宣言しているスイスには、建物の地下には核ミサイルに耐えられるシェルターがあります。民間人が銃を所持することは合法で、成人男性には兵役義務があります。1815年以降どの国際紛争にも関わっていませんが、現在もスイス軍は世界中で平和維持活動に参加しています。
盾と槍で戦っていた時代とは異なり、今は、遠く離れた場所からスイッチを押すだけで攻撃できる時代です。話し合いで全てを解決できるとは言い切れず、有事の際に備えておくことは必須になっています。
ですが、攻撃しないと宣言しているのに、武器を持つことは必要でしょうか?戦争をする気はないと言いながら、武器を持つ意味はなんでしょうか?
自分の国を守るためには何が必要か、各国の軍事力をご紹介します。

アメリカの軍事力

アメリカは軍事費が、世界1位の国です。2017年は1年間で、6,098億ドルを軍事費としていました。日本は世界8位で、2位が中国、3位がサウジアラビアとなっています。
アメリカは軍事費が群を抜いて1位なのに対し、隊員数は中国の半分ほどです。戦略、開発に力を入れており、その結果は現在のアメリカの立場に現れています。
アメリカの防衛策として最も大きいのは、核ミサイルを持っていることです。軍の駐屯地は世界中に存在し、国自体が大きな脅威として世界中で知られています。

中国の軍事力

中国は世界一の人口と、世界二位の経済大国です。
中国軍(正式名称は中国人民解放軍)は、1984年以降、戦っていません。アメリカが紛争や戦争をしているのは有名ですが、意外にも中国は30年以上どことも戦争をしていないのです。
法律で兵役が義務付けられていますが、実行されたことはありません。近年アメリカやロシアに並ぶ脅威とされており、日本も動向を注視している国のひとつです。

サウジアラビアの軍事力

中東は戦争のイメージが強い方も多いかと思いますが、サウジアラビアは世界3位の軍事費を使用しています。その多くがアメリカ製の武器購入費で、サウジアラビアの軍事力は「兵器大国」といえます。
しかし兵士自体の数は世界規模で見ると少なく、その分を武器で補っている状態です。中東は一国対一国ではなく、その後ろに様々な国が付いている戦争が多いです。そのため、自国の軍事力と他国との付き合いはとても重要になります。サウジアラビアの兵士が少なかったとしても、世界的に脅威であることは事実です。

まとめ

世界一大きな軍隊が、世界一強いのか、というとそうではありません。自国にしかないものを活かして、少ない兵力で戦いに備えている国もあります。日本に軍隊はありませんが、だからといって弱小かというと、そうではありませんよね。
誰がどこに寝返るか分からない時代で、有事に備えなしでは済まされません。そういった世界情勢は理解しつつも、自衛隊員やその家族、日本の置かれた立場も考えましょう。
憲法改正は早期に決着をつける問題ではなく、時間をかけてでも話し合う価値があります。来たる新元号の時代に戦争が起こることのないよう、国民ひとりひとりが向き合うときがきたのかもしれません。