地方創生の鍵は海外進出とインバウンド?地方自治体の取組みを整理

日本の課題を解決するうえで、欠かすことができないキーワードが、地方創生。選挙の公約のひとつに、地方創生という言葉があるのを、見たことがある人も多いのではないでしょうか。日本の景気を良くするためには、少子高齢化からくる課題を解決することが必須。その手段として使われるのが、地方創生という言葉です。

人口の減少が予想される日本。この先、さらに市場が縮小されると言われています。その影響を大きく受けるのが製造業を営む中小企業。とくに地方にある中小企業の場合、なんらかの工夫をこらさないと、生き残ることがますます困難に。それを解決することが、地方創生の鍵になると考え、アドバイスや補助金などの支援が始められています。

地方創生と海外進出がセットになる理由

地方の中小企業を元気にする方法として注目されているのが海外進出です。地方は、一部の例外を除くと、人口の減少がすすむ傾向。商品を売り込むための販路が、さらに縮小することが予想されます。それに対応するため、ネットショップを開設する企業が増加。しかし、価格競争にまきこまれ、経営状態の圧迫という悪循環に陥るケースも。

そこで注目されたのが、海外における販路拡大です。海外には、日本の商品の質を高く評価する国がたくさんあります。また、商品を通じて、日本に興味を持つ外国人が増えると、旅行や留学のための訪日が促されます。そこで、地方自治体の多くは、中小企業が海外に販路を広げることができるように支援を進めているのです。

地方創生のための海外進出(1)アドバイザー制度の充実

中小企業のなかには、海外に販路を広げるため、自ら戦略的に環境整備をすすめている会社も。しかし大部分は、どのように行動に移せばいいのか分からないという現状です。どのような手順で海外に進出すればいいのか、具体的にどのような準備が必要なのか、手探り状態にある会社は少なくありません。

そこで増えているのが、海外進出に詳しい専門家がいるセンターを設置するという取り組み。県庁や市役所などと協力して運営されています。そこでは、海外進出をテーマとするセミナーや勉強会をひらく、地方創生に関連する補助金を案内するなど、さまざまな情報提供も行われています。

地方創生のための海外進出(2)海外見本市や商談会の参加をサポート

海外進出にチャレンジするにあたり、日本国内で相談するだけでは、先に進みません。そこで、実際に海外にでて、海外見本市や商談会に参加、自ら販路を広げていけるように、支援する取り組みが目立ってきています。

海外見本市や商談会参加の募集をかけると、あっという間に集まることから、中小企業のニーズが非常に高いことが分かります。とはいえ、人気があるだけに問題も。自社商品を売り込む過程で、貿易や営業にかかわる課題が山積みに。しかし、それらの課題を解決するための環境整備はまだ不十分。次のステップに進みきれないという現実があります。

地方創生のための海外進出(3)海外サポートセンターの設立

実際に企業が海外進出を試みるなかで、輸入の手続き、販売手続き、関税や検疫など、難しい問題が何かと立ちはだかります。また、自社商品を売り込もうと思っても、営業先の選定方法や、面会をとりつける手順など、現地でないと分からないことも多数。

そこで、最近、増えてきているのが、地方自治体による海外サポートセンターの設立です。とくに目立つのは、上海、台湾、シンガポール、タイを拠点とするもの。地方自治体から相談員を派遣するケースに加え、ローカル企業に委託する方法がとられることもあります。

地方創生のための海外進出(4)海外アンテナショップの運営

ある程度のまとまった予算が計上されている場合、地方自治体による海外アンテナショップの運営が試みられることも。現地にアンテナショップをつくることで、複数の中小企業をまとめてサポートすることが可能となり、地方自治体にとっても効率的。実際に商品を販売し、売り込みやすい商品を見極めることも、重要な目的となります。

海外アンテナショップの運営は、それなりの額の予算を用意する必要があるため、ややハードルが高い方法。そこで、すでにある企業のアンテナショップなどを間借りして、地域のフェアを開催するというケースも。出品できる企業数は限られますが、設備等の経費を削減できるというメリットがあります。

インバウンド効果はどのくらいある?

地方自治体が、海外進出を支援する理由として、中小企業を元気にすることに加え、海外における地域のファンを増やし、観光旅行者を呼び込もうという意図があります。海外で日本の商品が幅広く買えるようになると、日本に行ってみたい、本場の味を食べてみたいという外国人が増えるという目算です。

中小企業の海外進出が、どのくらいのインバウンド効果をもたらしているのか、具体的には分かりません。しかし、日本の商品を買った経験が、海外旅行先や留学先を選ぶとき、決定打のひとつになることは十分にありうること。ここ最近、外国人観光客でにぎわっている地域が増えてきていることは、間接的な効果と考えてもいいでしょう。

まとめ

地方創生の取組みとして、中小企業の海外進出に、少なからず予算が投入されています。しかし、具体的にどのようなことが行われているのか、あまり知られていないのが現状。地元で愛されている商品が、実は海外進出を試みている!ということも。インターネットなどで調べてみると、思わぬ発見があるかもしれません。