日本の選挙との違いは何?スウェーデンの若者の投票率が高い理由

選挙の時期になると、日本で指摘され始めるのが投票率の低さ。大人世代はもちろん若者世代の投票率の低さを問題視する声が多く聞かれます。各政党は、若者に向けて、マニフェストをマンガにする、YouTubeにアップロードする、Twitterで積極的に発信するなど、いろいろな対策を講じていますが、十分に効果があらわれたとは言えません。

それに対して、スウェーデンでは30歳以下の世代に限っても、80%を超える高い投票率。日本とは選挙に対する意識がかなり異なることが分かります。スウェーデンは、税金に対する意識の高さに加え、小さいころからの教育、大人の子供に対する接し方が、高い投票率を実現する土壌になっていると言われています。

スウェーデンの選挙はどんな雰囲気?

スウェーデンの選挙権は18歳から。国、県、自治体の選挙が同じ日に行われます。日本では、いろいろなタイミングで選挙が開催されますが、スウェーデンの場合、4年に1度に行われる特別なイベント。選挙が近づくと、ちょっとしたお祭りのような雰囲気になります。

選挙日に向けて活発になるのが、投票への呼びかけ。政党のブースが各所に置かれ、投票を呼びかけると共に、政策に関する質問にも対応します。政党の青年部の若者が、投票を呼びかけるために、各家を訪問することも珍しくないとのこと。立候補者が駅前や車のなかで手を振る日本の選挙スタイルとはだいぶ雰囲気が異なります。

スウェーデンの若者の投票率が高い理由(1)高い消費税

スウェーデンの投票率が高い理由のひとつが税金。日常的に使うものや文化的価値が高いものは税率が軽減されるとはいえ、スウェーデンの消費税はなんと25%。しかし、スウェーデンでは、消費税に対する不満がほとんど聞かれないことでも知られています。

消費税となると、小学生も例外なく自分のお財布から支払うことに。それぞれが支払う税金が多い分、その使い道に対する意識も高くなります。選挙は、税金の使い方の妥当性を評価する機会という一面が。税金の支払いを小さいときから意識する生活が、投票率を高めている一因であるとも言えます。

スウェーデンの若者の投票率が高い理由(2)早期からの選挙参加

選挙権は18歳からですが、それ以前から政治に間接的に参加するのがスウェーデンのスタイル。先生の引率により政党のブースを訪れた小学生が質問をする、これはスウェーデンの選挙の風物詩です。政党ごとの政策の傾向をつかんでから行われるのが学校内の選挙。その結果は、実際に選挙に反映されないものの、公表されるそうです。

日本では政治の議論がダブー視される傾向があり、とくに学校の友だちと政治の話をすることは少ないのでは。しかし、スウェーデンの場合は逆。政治意識を高める教育が推奨されています。政治家が高校を訪問し、18歳未満の生徒と政策の意見交換会をすることも。投票に対する意識が自然に高まる環境が学校にあることが分かります。

スウェーデンの若者の投票率が高い理由(3)参加意識を高める教育

また、教育の方法それ自体にもスウェーデンの特色が。スウェーデンの教育は、学習するプロセスを大切にするため、先生が壇上で一方的に話す授業や、たくさんの宿題を出すことは、一般的ではありません。グループ学習や自習が中心で、先生は必要なときにサポートする役割に徹します。

スウェーデンで重視されるのが民主主義の理念。それは、学校の運営方法にも組み込まれています。学校で何らかの備品を購入するとき、先生がそのための予算を提示し、実際に使う立場の学生が何を買うのか決めるなど。学校自体が、国をどのように運営するのかを決めていく政治の縮図のようになっているのです。

スウェーデンの若者の投票率が高い理由(4)家族の伝統

投票日になると、スウェーデンの街中は家族づれであふれかえるという特徴が。それは、投票は家族みんなで行くという伝統が、スウェーデンで定着しているからです。小さいころから投票所に足を運ぶため、早く自分も投票したい!と言う子供も多いそうです。

さらに、投票日が近づくと、どの政党に投票するか、家族で真剣に議論することもスウェーデンの伝統。テレビでは、各政党の代表者による公開討論がさかんに放送され、家族で議論するための情報が食卓に流れます。選挙は、どこに投票するかを話し合うなかで、家族のあいだの距離を縮めているとも言えそうです。

スウェーデンの若者の投票率が高い理由(5)特別なイベント

スウェーデンの選挙が年に1回である希少性に加え、ポジティブで明るい雰囲気も投票率を高めている一因。選挙の当日になると、街中は投票所に向かう人々で、いつも以上に活気がある雰囲気に。家族や夫婦で向かう人も多いので、「どこかでお祭りがあるのかな?」と思うほどです。

投票に行くこと自体、「面倒くさい」とネガティブなレッテルを貼られがちな日本とは対照的に、家族で出かけるポジティブなイベントと感じられていることが、スウェーデンの若者の投票率の向上に貢献しています。

まとめ

政治家、家族、友だちと政策の話をする、学校の運営に参加する権利があるなど、政治参加が学校を含めた生活の一部になっていることが、スウェーデンの若者の投票率の高さの大きな要因。最近の日本の選挙では、消費税を上げるかどうか、学費の無償化をどこまで進めるかなど、若い世代に直接に関わるテーマが重視される傾向があります。そのため、各党の政策の情報を集めてみることで、自分の政治に対する考えや判断を見つけやすいタイミングであるかもしれません。